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2025.1030 木

少しずつだけど、

本当に少しずつだけど、

動きたい気持ちが湧いてきている。

小さな泡ぶくのように

たよりなくもろいけれど

ふつふつと

湧いてきているのを感じている。


それをどうするわけでなく

今は、そうかそうかと

微笑ましく、頼もしく、

ただ、感じているのです。


昨日ここの冒頭でふれた

一緒のマンションの

エレベーターで会った

お婆さんとの会話で

実は、はしょっていまして。

改めてフルで

書いておきたいと思います。


お婆さんは、お隣さんでね

ぼくが出かけようとしたとき

バッタリ会って

おはようございますって

挨拶中に二度見したんですけど

腕を骨折していたんです。

右腕が包帯ぐるぐるの

三角巾でぶらんとしている

骨折しましたのたたずまい。


びっくりしちゃった。

思わず、腕は大丈夫ですか?

って聞いていて。

お婆さんは明るく

転んじゃってね。

もう大丈夫なんですけどね。

なんて答えてくれたんだけど、

転倒×お婆さん×骨折って

ぼくのなかで

かなりのヘビーワードだった。

そのとき

困ったことあったら

言ってください。とか

ご飯つくりますよ。うちきますか?

とか、言いそうになった。

無自覚にも

猛烈に助けたくなっている

自分がいたんです。


でも、それをグッとこらえて。

それは痛かったでしょう

お大事にしてくださねって

心から伝えた。

泣きそうになるの我慢して

それだけを

心を込めて言うことに専念した。


ぼくは

かわいそうな人を見ると

いてもたってもいられなくなって

助けたくなる性質がある。

骨折のお婆さんなんて

かわいそうアンテナが

ぐるんぐるんまわるくらい

過剰反応してしまう。


でも、

かわいそうと決めているのは

ぼくの勝手な反応で

たいてい、

それほどかわいそうではない。

かわいそうと決めつけるのは

かえって失礼なくらいだ。

目の前の

お婆さんは

しっかりと元気だ。


お隣さんで

挨拶をするくらいの関係で

突然、お邪魔してご飯をつくるとか

そうしてあげたい想いは

決してわるいことではない。

わたしの持っている優しさで

それを否定するつもりはない。

むしろ、ねぎらいたい。

けれど

勝手にかわいそうな人として

距離感をバグってしまうのは

いかがなものだろう。

もしそうして

お婆さんが毎日のように

訪ねてくるようになったら

重たくなってしまって

お婆さんを嫌いになってしまう。

そんな自分が

たやすく想像できた。


その想いは

発動してしまう生き物だから

それをぐっと抱きしめて

言葉にするのを止めた。

それが、

すっとできたことが

ぼくはとてもうれしい。


心から

お婆さんの骨折を

ねぎらうことが

ぼくのじゅうぶん。

その役割をはみ出すことなく

伝えることができた。

その後

一緒にエレベーターに乗り

ちょっとの沈黙があって

「とうとう、冬ですね」

と話し出した

お婆さんの表情が

なんだかうれしそうだった。

エレベーターは1階に到着して

玄関に出ながら

寒いのでね

あたたかくしてお過ごしください

と言葉を返した。

いってらっしゃい

いってきますと

お婆さんとぼくは

それぞれ反対の道へと進んだ。


足取り軽く

お婆さんは元気だ。

ちっとも

かわいそうな人なんかじゃない。


ぼくは

じゅうぶんやっている。

ちゃんと伝わっている。

もう

無限に際限なく

期待に応えようとしなくていい。

備え続けてきた

ぼくにさよならをしよう。

心からのねぎらいを込めて。

よくやった。

うまくできなかったけど

よくやったよ。

ありがとう。


外はさみーけど

なんかあんまり寒くないぜ。

今日もごきげんでありましょう。

2026.0123 金

いったん 見送りがちかもしんない。 ふとね そんな言葉が浮かんだんです。 タクシーを探していて。 いつもの 歯医者さんから事務所まで。 歩くと20分くらいかな。 その日はあとの用事が控えてたので タクシーに乗ろうと思ったんです。 車通りの多い道に向かいつつ 歩きながら探していて。 乗りたいと思ったその瞬間 タクシーが来たんです。 そしたら いったん見送っちゃったよね。 しかも、2台連続で通り過ぎた

 
 
2026.0122 木

美しい朝でした。 降り積もった雪の夜が明けて、 赤みの帯びた朝陽が 真っ白な静寂を照らす。 すみずみ、澄み渡っている。 駐車場の雪かきで ひと汗かきつつ 愛車が可愛くてたまらない。 事務所へ向かう道のり 誰かが歩いた細い道ができている。 それは、足跡の連なり。 足跡と足跡の あいだの場所を選んで 道幅を増やしながら歩いてみる。 すれちがったお母さんに 抱っこされている赤ちゃんが ぼくを見ている。

 
 
2026.0121 水

動きます──。 それは、 バスの運転手さんの アナウンスでした。 きりりとして ていねいに芯のある響き。 宣言が届いた瞬間でした。 ぼくの今が同調したように その言葉に反応したんです。 ただの 運行中のアナウンスなのはわかる。 バス停で人が降りて 再び動くときのかけ声だ。 でもなんだろう 響いたんだよね。 ぼくの心の どこかにあるスイッチにふれて ぼくのなかの全自分が ウォーっと両手を挙げて 立ち

 
 
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