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2025.1016 木

スーツを買った日

さくっと衣替えをした。


くるぶしの出る靴下をしまい

くるぶしの隠れる靴下を出し

半袖や短パンをしまい

長袖やヒートテックを出す。

そして、同じ日に

新しく買ったパンツを

所定の引き出しにおさめた。


秋を迎え

冬の支度を始めている。

ああ、気持ちがいい。


夏ものをしまうとき

厳かな心もちで取り組んでいる。

なので、

そのような

顔つきをしていると思う。

なにかしらの大切な儀式のように

ハンガーから外して

たたんでしまうまでの

一連の作業を

書家や茶道の

家元かなんかのつもりでのぞむ。


今年の役目を終えた夏ものに

感謝とねぎらいの気持ちを込める。

それは

本当に心から湧いてくる気持ちで

ちょっと、

そういうごっこをしている。

見えない顎ひげをたくわえ

見えない作務衣を着ている。


厳かに務め

静寂であるように

平熱な作業を進めるその

内心のごっこも

あくまでも真面目に行う。

そのうえで、

壮大であるイメージを膨らませる。

その様子を

俯瞰で見てみる想像をすると

滑稽さもまじった

可笑しみがわいてくる。


ふつうの部屋のすみっこで

おじさんが

いそいそと

服をしまって出しているだけだ。


その想像カメラは

部屋の中の頭上から

どんどんどんどん引いて

最後は宇宙にまでいく。

そしてまた

ゆっくりと部屋に戻るころ

すべての作業が終わる。


衣替え儀式ごっこと、宇宙。

季節が変わるミクロとマクロだ。

実に壮大。

かつ、馬鹿げている。


誰にも知られず

こういうことを

こっそりとやっている。

想像は無限だ。

だからって

たいそうなことではなく

おもしろいと思うことに使う。

ただそれだけだ。


遊ぼう。

今日もごきげんでありましょう。

2026.0123 金

いったん 見送りがちかもしんない。 ふとね そんな言葉が浮かんだんです。 タクシーを探していて。 いつもの 歯医者さんから事務所まで。 歩くと20分くらいかな。 その日はあとの用事が控えてたので タクシーに乗ろうと思ったんです。 車通りの多い道に向かいつつ 歩きながら探していて。 乗りたいと思ったその瞬間 タクシーが来たんです。 そしたら いったん見送っちゃったよね。 しかも、2台連続で通り過ぎた

 
 
2026.0122 木

美しい朝でした。 降り積もった雪の夜が明けて、 赤みの帯びた朝陽が 真っ白な静寂を照らす。 すみずみ、澄み渡っている。 駐車場の雪かきで ひと汗かきつつ 愛車が可愛くてたまらない。 事務所へ向かう道のり 誰かが歩いた細い道ができている。 それは、足跡の連なり。 足跡と足跡の あいだの場所を選んで 道幅を増やしながら歩いてみる。 すれちがったお母さんに 抱っこされている赤ちゃんが ぼくを見ている。

 
 
2026.0121 水

動きます──。 それは、 バスの運転手さんの アナウンスでした。 きりりとして ていねいに芯のある響き。 宣言が届いた瞬間でした。 ぼくの今が同調したように その言葉に反応したんです。 ただの 運行中のアナウンスなのはわかる。 バス停で人が降りて 再び動くときのかけ声だ。 でもなんだろう 響いたんだよね。 ぼくの心の どこかにあるスイッチにふれて ぼくのなかの全自分が ウォーっと両手を挙げて 立ち

 
 
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