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2027.0730 木

7月30日
読了時間: 2分

あれから、 どうなったんだろう。

思い出すことがある。


その路地を横切るとき、

たびたび気になってしまう。

いつもじゃないけど、

もう何年も前のことだけど。


たしか、

これから

なじみの焼き鳥屋に向かう途中。

ちょっと近道の気分で、

いつも通らない中小路を歩く。


猫が横切った。

前方右の車の下から

1匹の猫が、

すばしっこく走ってきて

ぼくの横をすり抜けて行った。

突然に現れたもんだから

無意識に目で追っかけていた。


続いて、

家族らしい人たちが

キョロキョロしながら

不安そうな面持ちで

慎重に歩いてくる。


あ、飼い主だ。

猫の名を呼んでいる。

家族のお母さんと目が合った。

ぼくは

さっき見たことを伝え、

そして

あっちに走って行ったと教えた。


ただ

それだけの出来事。

家族は

ぼくに深々と礼をして

捜索を続行した。


焼き鳥を食べながら

猫が見つかったか気になった。

きっと見つかるだろう。

そうであってほしいと願った。

同時に、

あの瞬間、

猫をキャッチできたら……

手を伸ばせば

できたかもしれない……とか

「もしも」のはなしを

考え始める自分がいる。


この猫ちゃんですか?と

家族に渡す想像までしている。


そうなったら

よかったのにと、

なぜか自分に

がっかりもしている。

そんなことできなくても

ぜんぜんわるくないのは

頭では、わかっている。

なのに、なんかちらつく。


なんでこんなに

じんわりひっぱったのか。

今、書きながらわかった。


その家族の

喜ぶ顔が見たかったんだ。

あの不安な表情が

晴れやかになってほしいと願う

想いがあったんだ。

ただ、それだけ。


ただの

通りすがりの人として

できることはぜんぜんない。

かける言葉もない。

猫の走っていった方向を

伝えられただけで、じゅうぶん。


いまころ

猫も家族も

どうしているかはわからない。

きっと、大丈夫。

勝手に、そう願っている。


逃げた猫は

もちろんのこと

なんにも思っていない。

ただふつうに、皆無だ。


今日もごきげんでありましょう。







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